TOKYO FM MUSIC VILLAGE|LIVE REPORT

LIVE REPORT

11/19(土) Pure vol.1 @新代田FEVER

出演:ART-SCHOOL / カフカ / BURGER NUDS

トップバッターはカフカ。カフカにとって憧れのバンドと対バンが叶った奇跡、言葉だけでなく音で、バンドが鳴らす最高の感謝を共有することができた夜だった。
スマッシング・パンプキンズのTonight, Tonightが流れ、メンバーが登場。
BURGER NUDS、ART-SCHOOLに比べると若いバンド、カフカ。

1曲目は『Ice Candy』、アップテンポなイントロが流れ、ベースのヨシミが会場の熱を上げていく。 『マネキン』、『還る空』、『彼女は海で』、『plastic city』と続き、冬の雰囲気によく合った楽曲が丁寧に演奏された。

MCでは、以前イベントでBURGER NUDSの門田に挨拶をしたとき、あまりにも緊張しすぎて「好きです」としか言えなかったというエピソードに会場が和む。そして門田の「今のシーンをぶっ壊そうぜ」という言葉に助けられ、ここまで頑張ることができたという。

「今のカフカを聴いてほしい」と告げ、『雨』、 現代社会の閉塞感、薄暗い闇を抱えた日常を切り取ったカフカらしい歌詞がカラフルでポップな楽曲にのせられて耳に沁みる。続いて、キラキラと光る照明が会場をダンスフロアに変えた『Night Circus』。観客も手拍子を入れながら踊る。

最後のMCでカネコが、「生きていくうちにだんだんと人は汚れて行く、どんなに汚れていてもそのままで良い、生きて」と告げ、『あいなきせかい』で最後を締めくくった。

そして、20日18時、12月15日の渋谷クラブクアトロでのライブを最後に、以降「KFK」(ケー・エフ・ケー)として名前を変更して活動していくと発表された。

MCで聞いた、「今のカフカを聴いてほしい」という言葉。これは、もうすぐ今の「カフカ」が終わり、「KFK」への始まりを告げる言葉だったのかもしれない。次へと繋げる背中を押してくれた憧れのバンドへの感謝の音は届いたはずだ。

より自由に、より活動的に、次へと進むKFKはどんな音を聴かせてくれるのだろう。



2番手はBURGER NUDSが2004年に解散する前から何度も共演し、同じシーンを駆け抜けてきたART-SCHOOL。

この日のセットリストは後にMCで戸高が言ったように「2000年代初頭のような」感じで、冒頭から『シャーロット』、『プール』、そして『SWAN SONG』と、まさに2000年代初頭の頃に観ていたART-SCHOOLのライブを思い出すような流れで幕を開けた。

この日演奏された中でいちばん新しい曲は2007年にリリースされたミニアルバム『左ききのキキ』に収録されている『Ghost of a beautiful view』。 冷たくて鋭いけれど、やわらかいような、やさしいような、冬の朝に深呼吸するとき、肺に冷たい空気が入ることで体中を巡っている血液があたたかいことを実感するような。ART-SCHOOLの音楽にはそういう冷たいあたたかさがある気がする。

続いて演奏された『Butterfly Kiss』 もそういう温度感を持ったアートの楽曲のひとつで、この曲が収録されているアルバム『LOVE/HATE』のジャケット写真のような淡い色や空気の乾いた感じを肌から感じるようだった。

「ここからは激しい感じで…」とMCでは静かに言う木下だったが、客席の歓声とともに始まった『エイジ オブ イノセンス』を振り絞るように、叫ぶように歌い上げ、最後は『foolish』、『ロリータ キルズ ミー』、『FADE TO BLACK』と、これしかないというほど美しい流れで2000年代初頭の空気を残してメンバーはステージを去った。



最後はBURGER NUDS。SEはなく静かに客電が落ち、メンバーが定位置につく。

アルバム『Act 2 或いは Act 3』のレコ発東名阪ワンマンが夏に終わり、バンド初の自主企画ということで、一体どんな曲が聴けるのか、どんなライブになるのか、どんなイベントになるのかまったく想像がつかないまま、この日また、きっと新しい気持ちを抱かせてくれるのであろうBURGER NUDSのライブを観られるのを、ずっと楽しみにしていた。

1曲目は『Lesson』。ここまでカフカとART-SCHOOLが作り上げてきた今日の日の空気に、ゆっくりとBURGER NUDSの音楽が入り込んでいった。続く『Methods Of Dance』で、その空気を徐々に温め、『自己暗示の日』のイントロが始まると会場の熱が一気に上がるのを感じた。
そのまま止まることなく始まった『ANALYZE』、そして次に演奏された『エコー』、さらに『歪み』。演奏は良い意味で以前より力が抜けて、BURGER NUDSの音楽と客席との距離が近くなったように思う。

そして後半『感想文』、『酸素』、『逆光』の流れが、その熱を心地よくやわらかい光のような「あたたかさ」に変えていった。
本編最後は『コミュニティー』。アルバム『Act 2 或いは Act 3』の1曲目に収録されているこの楽曲が、この日のBURGER NUDSのステージの正しさや美しさを物語っていた。

アンコールでは、演奏中の緊張感とギャップのある朗らかなMCもあったが、門田が「自分が良いと思ったものが本当にいいんだよ」と強く言っていたことが、この日のイベントタイトル「Pure vol.1」を象徴していたように思う。口に出すのも恥ずかしいくらい「純粋」な、心の奥底にある本当の想い。それがそれぞれにとっての正しいことだということ。そういうことを音楽にする、それを続けているのがこの日出演した3組のアーティストだったのではないだろうか。

BURGER NUDSの音楽の純粋さを象徴するような楽曲『AM4:00』、『ミナソコ』の2曲が演奏され、この日のステージは幕を閉じた。
次回、「Pure vol.2」は2月25日、代官山UNITでTHE NOVEMBERSとの2マン。どんなイベントになるのか、今から楽しみだ。

(MUSIC VILLAGEスタッフ おかやす・しみず)
撮影:野田雅之

<セットリスト>

▼カフカ
01 Ice Candy
02 マネキン
03 還る空
04 彼女は海で
05 plastic city
06 雨
07 Night Circus
08 あいなきせかい

▼ART-SCHOOL
01 シャーロット
02 プール
03 SWAN SONG
04 Ghost of a beautiful view
05 Butterfly Kiss
06 エイジ オブ イノセンス
07 foolish
08 ロリータ キルズ ミー
09 FADE TO BLACK

▼BURGER NUDS
01 Lesson
02 Methods Of Dance
03 自己暗示の日
04 ANALYZE
05 エコー
06 歪み
07 感想文
08 酸素
09 逆光
10 コミュニティー
EN01 AM 4:00
EN02 ミナソコ

<イベント情報>

【Pure vol.2】
2018年2月25日(日)東京・代官山UNIT
OPEN 17:30/START 18:00

<出演>
BURGER NUDS / THE NOVEMBERS

<チケット>
料金:前売 ¥3,500 / 当⽇ ¥4,000
税込・ドリンク代別途・オールスタンディング

<チケット一般発売>
2018年1月21日(⽇)〜
チケットぴあ 0570-02-9999[P:349-761]
ローソンチケット 0570-063-003[L:74142]
イープラス http://eplus.jp

<BURGER NUDS Official Site>

http://burgernuds.jp/